
先日も書きましたが、私は新年早々マルコとの関係がしっくりきておらず、そのための努力をすることを心に誓いました。今はちょうど大会と大会の合間の時期で、次に出場予定の大会まで1ヶ月半ほどブランクがあります。その間に完全とはいかなくともある程度よい状態にもっていかなくてはならないと思っているわけです。
アジリティーの場合「犬を完全にコントロール下に置く」というだけのやり方では本大会で「良い走り」を競うことはできません。アジリティーはコースを正確に走るだけでなく、スピードも競い、何よりペアの意欲的な意志疎通が大切だからです。常に犬を掌握しすぎると犬の走るスピードは落ちてしまいますし、喜々としません。そういう落ち着ききった状態の犬(または威圧でのみ言うことを聞いている犬)に再びスピードや表現力を求めるのは難しいのです。ある段階で一時的に良し悪しをきちんと教え込まなければならないときもありますが、どちらかというと犬が自分の損得感情で、自ら「人の思惑通り動く方が得」と思わせる持っていき方をする方がベターなのです。そういう意味で私はアジリティーこそ「究極の陽性強化」なのではないかと思っています。
こういう競技を通して色々と経験を積むうちに私なりに目指す競技犬の良い状態が
「手のひらの上であそばせてやっている状態」 です。
落ち着き過ぎない程度に自由を与え、でも実はその自由もコントロールされている。そして犬もなんとなく手のひらで転がされていることを知りつつも、心地良いのでそれ以上出ていこうとしない。愛犬の心のバランスまでもコントロールするとでもいいますか・・・。こういう状態にもっていくまでにそれなりの努力(関係構築)は必要不可欠であることは言うまでもありません。努力をしているうちに飼い主も成長しさらなる成長を望むようになります。そして「もっと知りたい!(犬の気持ちを)」「もっと色んなやりとりをしたい!」と思う気持ちがアジリティーやその他の競技への参加に繋がっていくのだと思います。こんな風に書くと「犬は人の欲に振り回されてかわいそうに」なんて思う人もいるかもしれませんが、私はそういう考え方はしません。「飼い主がハッピーなら、犬もハッピー!」Taht's all です。
終わりに一つアジリティーに関する注意事項をもうしますと、バーをを飛んだり障害物を乗り越えたりするのは犬にとって野生の本能をくすぐる楽しい遊び(そう思わない犬もいますが・・・)であります。ときに人にあれこれ指示されることをうとましく思い始める犬もいて「アジリティーの時間=ドッグラン状態」と認識する犬もいます。これでは本来ペアが競技を通じて目指す関係構築から外れるいっぽうですね。こういう競技だからこそ関係がうまく構築されたペア、そういう兆しのあるペア(努力中)が参加できるレッスンであり、だから大抵の教室で「アジリティーだけ習いたい」という飼い主の要望は却下されることが多いことをご理解いただきたいです。
さて、そういうわけで私とマルコですが、この1ヶ月半ほどの間に一旦良し悪しできっちりと基本をただし、最後は意欲にもどすところまでやり遂げようともくろんでおります。間に合うんかいな・・・。
(hu)
スポンサーサイト